2020.05.29

事例・データでひも解く 就職活動の不安やギモン Vol.1 Web上で選考が進んでいくことが不安です

就職活動や就職に関するさまざまな情報が飛び交うなか、学生さんの本当の不安やギモンは何でしょう? 学生さんとお話をしながら、一緒に考えてみました。事例やデータから見える事実もぜひチェックしてみましょう。

 
【お話してくれたのは…】

【一緒に考えたのは…】


 

Web面接の通信トラブルやツールの不具合を過度に心配しなくてもいい

 
Aさん:新型コロナウィルス関連の影響で、エントリーしていた企業の多くが、選考を延期・中止してしまいました。選考を継続している企業も、Web上での説明会や面接に切り替えてきています。Webだけで選考が進んでいくと考えると、正直、不安です。
 
増本:Aさんは今までにWeb面接を受けたことありますか?
 
Aさん:あります。でも、対面での面接とは勝手が違って、なかなか慣れません。
 
増本:なるほど。実は、Web面接に関しては、ちょっと面白いデータがあるんです。

 

 
増本:Aさんと同じ2021年卒業予定の学生さんに対する調査では、Web面接を経験している学生さんと、経験していない学生さんとで、Web面接について不安に思うポイントが違うという結果になりました。
 
飯塚:「自分の話が伝わるか」が不安な点は、経験者も未経験者も同じくらいですが、他の点ではだいぶ違いますね。
 
増本:そう。未経験者は、マナーやWeb面接を受ける場所を気にしている一方で、経験者は、Webの回線の状況や面接担当者との目線の合わせ方を不安視し始めているんです。
 
Aさん:たしかに、カメラを見ればいいのか、それとも画面を見た方ほうがいいのか、視線を向ける先については、いつも迷います。
 
増本:Web面接を経験したからこその不安ですよね。でも実は、自然に相手、つまり画面を見て話せば、それでOKなんです。
 
Aさん:そんなに気にしなくても良いんですね!
 
増本:通信環境のトラブルで通信が途切れてしまった場合もそう。「通信環境のトラブルの場合、担当から改めてご連絡します」「別途時間を取ります」などとTwitterで明言している企業採用担当者もあるくらいです。
 
Aさん: 良かった。通信環境のせいで、面接が途中で打ち切られたりしたらどうしようかと思っていました。
 
増本:経験するうちに、どういうエラーが起きるかが分かってくるので、対処の仕方を学べば大丈夫なんです。お互いに不慣れな状況なのでその後の対応を確認できれば良いです。
 
Aさん: でも、いざ面接中にトラブルが起きると、パニックになってしまいそうで…。たとえその後に再開できたとしても、受け答えに影響が出てしまいそうです。
 
増本:選考をオンライン化しているある企業の採用担当者は「ツールに慣れていない、回線が切れて、動揺してしまっといったようなことは評価に影響しないし、オンライン選考に不慣れな学生をバックアップしたい(アパレル)」と言っています。別の企業の採用担当者も、「オンライン、オフラインといった参加方法の違いが評価に影響を与えることはありません(メーカー)」と言っています 。 企業側も不慣れな部分もありますし、企業側も学生に不利益がないようにとを支援する姿勢なので、安心してください。

 
Aさん: そう聞いてホッとしました。

 

選考の手段は変わっても、「何を伝えるか」が重要であることに変わりはない

 

増本:選考のオンライン化によって、実は時間の余裕も生まれていますよね。これまでの就職活動だと、1社の会社説明会に参加するのにも、往復の移動時間を含めて3、4時間は必要だったのが、Web説明会なら、自宅でに居て30分から1時間聴けば終わります。
 
Aさん:たしかに私も、4月の外出自粛期間に時間の余裕ができたことで、じっくりWebテストを受けられたように思います。
 
飯塚:そう考えると、選考の延期や中止、オンライン化で生まれた時間を、どう有効に使うかという考え方もできそうですね。
 
増本:その通り。前年同時期と比べて、企業研究している学生の割合が増えているというデータもあります 。自己分析をしている学生の割合が減っているのはちょっと残念です。企業研究と自己分析はぜひセットで行った方がいいです。この時間を、企業理解や自己理解を深める機会と捉えると良いのではないでしょうか。
 

Aさん:そうか! 選考が先送りされたせいで、自分が何をしたらいいかが分からなくてモヤモヤしていたんですが、そう考えればいいんですね。
 
増本:先ほど例に挙げた企業は、将来的に業界を一緒に変革していく人材と働きたいと考えて採用活動を行っており、選考手段が変わっても、そのことに変わりはないと言っています。つまり、学生にとって一番大切なのは、「何を伝えるか」ということであり、それは対面の面接がWeb面接に切り替わっても、同じことなんです。
 
Aさん:でも、その「何を伝えるか」が、実は一番、難しくて悩んでいます。説明会に参加すると、会社の雰囲気がつかめて、事業内容についても理解が深まったんですが…。
 
飯塚:説明会や社員座談会などのイベントも、オンラインに切り替わったり、機会そのものが少なくなっていますよね。
 
Aさん:説明会に参加できなくなったことで、得られる情報量も減ってしまうので、企業の情報収集に手ごたえがなく、自分とほかの学生との差別化が難しいと感じています。
 
増本:特に、志望動機に関してそうなのでは? 自分がなぜその企業を志望しているのかを、きちんとその企業と接点を持って話したいのに、そのための情報が足りていないということですよね。
 
Aさん:そうです。ただ、Web上でも、社員の方と一対一の面談の機会があった企業では、会社の雰囲気が伝わってきて、志望動機も考えやすくなりました。
 
増本:それは、Web上でも、社員と直接コミュニケーションできたからですね。ほかにも、Web上だからできたというようなことがあるんじゃないですか?
 
Aさん:説明会場だと、事業内容などについての質問は、説明会後の質問タイムに挙手しなければならないのですが、Web説明会だと、後でメールで尋ねたり、チャット形式で気軽に聞けるので、助かりました。質問のしやすさでは、オンラインの方が、ハードルが下がるように思います。
 
増本:そうやって企業に対する興味をどんどん深堀りしていくことで、志望動機の説得力を増すことができるし、調べようという姿勢が、企業への意欲をアピールすることにもつながりますよ。Webでも対面でも、「何を伝えるか」が重要であることは変わりないんです。
 
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Vol.2 志望動機、何を話せばいいの? -前編-

取材・文/日笠由紀