2018.04.10

「働き方改革」時代の就活とは? ~学生と企業、それぞれのホンネ~

採用・就職における企業と学生の間にあるミスマッチを見つめ、考えるきっかけにするための「産学ワールドカフェ」。今回のテーマは、「『働き方改革』時代の就活とは? ~学生と企業、それぞれのホンネ~」。

 

 

「働き方改革」時代の就活とは? ~学生と企業、それぞれのホンネ~ @大阪 関西大学 梅田キャンパス KANDAI Me RISE

 

時短勤務や、働きやすさという側面でのみ語られることが多い「働き方改革」だが、その本質は、世の中の構造が変わり、個人と企業との関わり方が変わっていくということにある。そのポイントに沿って、学生は就職活動、企業は採用活動をどのように考えればいいのかを共有し合った今回。前半はカルビー社・執行役員 福山知子氏への公開インタビュー、後半は学生、企業、大学関係者によるテーブルダイアログ(対話)を行い、相互理解を深めた。

 

■個人と企業の関わり方の変化について

なぜ、今「働き方改革」が求められているのか。平均寿命の延伸、産業構造の変化、人口の本格的な減少、育児や介護との両立…。仕事をする上での私たちの状況は、変化している。それに伴い、従来の働き方には限界が…。

これまでは、個人と企業は「個人は仕事をこなすことで一つの企業に尽くし、企業は年功序列や終身雇用で報いる」という関係だった。

 

 

これからは、「個人は副業、転職、社会人になってからの学び直し、さらに育児、介護なども含めた複線的なキャリアを通じて人として成長することで会社に貢献し、企業は個人のキャリアや成長をサポートし、イノベーションによって業績アップを目指す」と世の中の構造が変わっていく。社員の副業を自社の利益につなげる企業の出現など、すでにその変化は始っているとも言える。

 

そして、個人も企業も、幸せになれる「働き方改革」の実現こそが、これからの時代に求められるもの。

 

■公開インタビュー

そのために個人、企業は何をすればいいのか。そのヒントを探るためご登壇いただいたのは、成長戦略における「働き方改革」を実践するカルビー株式会社・執行役員の福山知子氏。カルビーにおける「働き方改革」の実現のポイントを発表いただいた。

● 時間ではなく成果を重視
「Commitment & Accountability」という考え方の導入。

● 目標の数値化、根拠の提示
「3年後に女性管理職比率を15%以上にする」
「今まで男性優遇だったため戻す」…とトップが明言。

● 他社の事例共有
先行して人材戦略を変えて成長した企業の話を社内のキーパーソンみんなで聞いた。

 

カルビー株式会社 執行役員の福山知子氏。

福山氏自身も時短勤務のご経験がある。そんな福山氏個人のキャリアについてもインタビューした。社内留学制度で大学院に通い、MBAを取得。社外の人材と交流し視野が広がったこと、時短勤務の工夫や苦労など、具体的な話をご紹介いただいた。

 

 

2児の母でもある福山氏 (左) は現在、週2~3日を東京で勤務し、残りは関西のご自宅で在宅勤務とフレキシブルな働き方を実践している。

後半では、ここまでの話をふまえ「働き方改革」について、4、5人に分かれてテーブルダイアログを実施。働き方改革と就職活動に関連して、企業からは「学生をビジネスパートナーとしてとらえ、会社にどのような利益をもたらしてくれるのかを見ていきたい」「仕事における大変なことも厳しいことも、正直に学生に伝えるべき。その上で当社を選んでくれたら本気度を判断できる」などの意見が共有された。学生からは「これまで就職活動をする上で、働き方改革に着眼点を置いていなかったので自分の未来像のためには考えながら就職していきたい」「合同企業説明会で聞いた話だけで企業を選ぶのではなく、その会社が目指すもの、どういう方向を向いて事業活動が行われているのかをチェックすべき」といった意見があがった。

 

 

各グル―プでは、自社のケースや学生個人などさまざまな立場で意見が交換され、今まで気づかなかった視点に驚く声も聞かれた。

 

企業と人との新しい関係性について、学生からは「働き方改革は働く時間の長さではなく、その人がどのような成果をあげるかという能力重視なので、とても魅力的だと思った」

といった意見が。企業からは「働き方改革とは制度を整えることがゴールではなく、改革をする目的を明確にしておくことが大事。目的がクリアであれば、就活生に対してどのような場面でもブレずに接することができると思う」といった意見があがった。

ほかにもこのような意見が寄せられた。

・これまで就職活動をする上で、働き方改革に着眼点を置いてなかったので自分の未来像のためには考えながら就職していきたい。 (大学3年生・文系)

・自分が就職活動に関して考えていることに自信を持てた。譲れない部分は守りつつ、柔軟性を持って取り組みたい。(大学3年生・理系)

・働き方改革は時短ととらえがちですが、そうではないと再認識できた。学生さんと企業側のWinWinの落としどころをどこにするか、自社に合った働き方改革を考えるきっかけをいただけた。(企業関係者・メーカー)

・当イベントにて、企業の生産性・多様な働き方が整理できた。学生様の「意識」、その方の企業のあり方も理解できるいい機会だった。(企業関係者・サービス)

・学生が企業を選ぶ際の一つの基準になりそう。ただし、働き方をどう考えるかは非常に難しい問題と感じた。(大学関係者)

 

新しい制度、新しい働き方といっても、多くの企業はまだ手探りの状態。それでも壁を乗り越えてチャレンジを始めている企業もある。また新しい時代の流れの中、副業や学業との両立など新しい働き方でキャリアを積んでいきたいと考えている学生もいるということが共有できた会となった。

こらから企業と個人が、働き方を時代や個人の志向に合わせて変化させていくことで、お互いが成長し、利益を享受できるような社会がやってきそうだ。前例がないからこそ、企業と個人の相互理解がますます重要になっている。

 

産学ワールドカフェとは?

産経新聞社、大阪商工会議所、就職みらい研究所(リクルートキャリア)、が共同開催している、学生、企業、大学関係者の対話型イベントです。ホンネで話すことで、お互いのもやもやを解消し、よりよい就職/採用活動について考えるきっかけを提供し、相互理解を深めることを目指しています。2016年11月にスタートし、これまで「インターンシップ」や「選ぶ、選ばないの分岐点」など就職/採用活動に関わることをテーマに開催を続けております。