就業力の育成の活動

就職をする前の学生に対する、
さまざまな就業力育成の活動をご紹介します。

7000人以上の学生が受講した「働くことに対する意欲を高める」講座、今年はさらに多くの開催へ。

リクルート(当時)で2008-9年に開発・実施していた「キャリアの学校」のプログラムを、2010年より現・就職支援コミュニケーショングループの大黒(プロフィールは後述)を中心に大学向けに変更・改良し、実施してきました。この講座が2012年までの累計で100大学、受講学生が7000人を超えました。昨今の大学にとって、「学生が“働くことに対する意欲”を高め“前向きに就職に向けて取り組む”素地を作る」ことへの関心は非常に高まっており、来年度はさらに多くの学校での実施が決定しています。本記事では、講座概要などについてご報告します。

大学生の就職における課題と「キャリアガイダンス」が義務化となった大学の現状

※キャリアガイダンス=文部科学省によると「社会的・職業的自立に関する指導等」を示します。

卒業後に進学も就職もしていない大学生は約8万人(文部科学省、平成24年学校基本調査より)というデータや、新卒就職者の3割が3年以内に離職するという事実に関心が集まる中、2012年4月より、文部科学省の大学設置基準として「キャリアガイダンス」が義務化されました。教育現場では「キャリアガイダンス」を就職支援ととらえ、自己分析や業界研究、OB・OG講演などを授業に組みこんでいく動きがあります。
そのような中、私たちは大学生の「就業意欲」自体に着目し、2010年より講座を開いてきました。講座形式は1回で終わるスポット的なものから、単位が付与される授業で複数回を受け持つものまでありますが、そのどれもがノウハウをただ教えるのではなくワーク形式を採っています。現在も大学現場とともに試行錯誤しながら、よりよい授業ができるよう取り組みを続けています。

講座の中で大学生に伝える4つこと

【1】キャリアについて

必ずしも山登りではなく、若いうちはいかだ下りのキャリアもある

今の大学生は就職や仕事に対して明確な目標を持っている人は少なく、「キャリア」という言葉を聞いただけで、目標に向かって上り詰めていくというイメージが先行してしまっています。そこに縛られると「目標がなければ動けない」という状況になりかねません。まずは目標(≒登るべき山)がなくても、目の前のことを全力でやることによって力がつき、目標(≒山)が見えてくる「いかだ下りのキャリア」の作り方もあるということを教え、20代のキャリアへの考え方を“柔軟なもの” に変えていくことを狙っています。結果、このセッションでは、まずは目の前のことにチャレンジすることの大切さを教えていきます。

【2】仕事について

イキイキと自身の仕事を語る人を見ることで、
仕事に対するイメージを変える


▲ 講座で用いているさまざまな社会人の映像

毎日接する保護者や、電車の中で見るビジネスパーソンなどから仕事とは「生活のために必要なこと」「疲れてストレスがたまること」と思ってしまっている学生も多いようです。そのマイナスイメージを払拭するために、イキイキと働く人とその仕事現場を映像で紹介し、登場した人の「やりがい」は何だと思うか、それに対して自分は共感することができるかを考えてもらいます。さらに自分がやりがいを持って働くことができる仕事とはどのようなものなのかを探っていきます。やりがいを見つけることは就職活動だけでなく、今後社会人として成長していくためにも重要な要素であることを伝えます。

【3】企業研究について

CMや社名など身近なところから楽しく比べる

学生が実際に就職に対しての取り組みを始めようとすると、「企業研究の仕方が分からない」「興味が湧かない」「そこで足が止まってしまう」ということが起こるようです。そこに対し、同じ業界の会社であっても、それぞれの会社のHPやCMを見るだけで、会社の理念や何に力を入れているのかが分かることなどを伝えていきます。学生が分かることや接することができる情報のうちから、どんな観点やポイントで比較していけば企業研究が可能になるかという本質を理解してもらい、就職活動のためにやらなければならないことではなく、自分が気になる企業や業界を前向きに調べてみる気持ちに変化させていくことを狙っています。

【4】自分に自信を持つ

自分の知らない自分のいいところを人に聞く

「自分のいいところを10個挙げてみてください」と言われると大抵の学生は答えることができません。しかし就職において“自分の強み”や“らしさ”を知ることは大事なことです。いいところを10個挙げられないからといって、自信を喪失をしたり、無理に強みを考えたりするのではなく、自分が気づいていない強みを知る機会として講座を進めていきます。
グループディスカッションでは、 「他の人の良いところに気づく」ことや 「周囲の人には自分がどのような強みを持った人に見える」のか知ることができます。こういうやり取りは、日常ではなかなか得られないことなので、学生にとってはいい機会になっているようです。

“働くっていいな”と思うことこそが就業観の第一歩であり大切なこと

学生の就業力などが課題とされる今、そもそもの働く意欲を高めることや、キャリアや就職について考えることは大事なことだと思います。「キャリアガイダンス」と一言で言っても、大学によって就職自体や就業力への考え方はそれぞれ違うのが現状です。そんな中上記の4つのテーマを投げかけると、必ずと言っていいほど課題に感じておられるようです。実際に大学で講座を行うと、学生が希望を持って就職へ向かうようになったり、就職への意欲が高まったりしている実感があります。意欲を持って就職活動に臨めることは学生にとってはもちろん、企業にとってもプラスだと思います。これからも、大学現場や企業人事の方などとのコミュニケーションなどから兆しを見つけ、サポートできる講座をブラッシュアップさせて提供していきたいと考えています。

株式会社リクルートキャリア 就職支援コミュニケーショングループ
就職ジャーナル編集長 大黒光一

1988年リクルート入社。約20年間、新卒・中途の採用ニーズや社員教育ニーズに対する営業を行う。営業、組織長として1万社以上の人材課題に対峙。2010年1月より、大学生のキャリア支援を進めるプロジェクトへ着任。これまでの企業の採用に関する知識や情報、自らの面接者としての経験などを活かしながら、その時代にマッチした大学生のキャリア支援を行うプログラムを開発し続けている。これまでに講座を行った大学数は100校を超え、7000人以上の大学生が受講した。2012年10月からは就職ジャーナル編集長も担う。

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